【タイプ別】暖房器具のメリット・デメリットを比較
暖房性能、光熱費、コスパ、環境を配慮した
寒冷地での暖房とは?
全体的に標高が高い信州・長野県は、平均気温は12月で2.1度、1月はマイナス0,6度という寒冷地。特に標高が高い地域では日中でもマイナスの日が続くこともめずらしくありません。
ミコちゃんたちが暮らす東信州は、晴天率が高く積雪もそれほど多くはないものの、朝晩の冷え込みはかなりのもの。そこで今回は、寒い冬を快適に過ごすための暖房器具を徹底調査しました。
コタツ出したんだー!
お気に入りの場所だよ。
なんか、ほっこりするよねー
薪ストーブやファンヒーターも使ってるけど
エアコンがついている部屋もあるよね。
なんで?
使い分けたりしているよ。
色々あるからね。
何か違いがあるの?
じゃあ、暖房器具のメリットデメリットを
タイプ別にまとめてみるね。
【タイプ別】暖房器具のメリット・デメリット
暖房器具を選ぶポイントは、一般的には暖かさと暖房費を考えたコストパフォーマンスですが、何を重視するかは人それぞれ。家族構成や環境や趣味によって選ぶ暖房器具も変わります。
例えば小さな子どもやお年寄りがいる家庭なら安全性や室内のクリーンな空気を一番のポイントにするかもしれませんし、おうち時間を楽しみたいこだわり派は薪ストーブを選ぶかもしれません。
とはいえ、暖房器具の目的である「暖かさと快適さ」があることは大前提。特に寒さの厳しい寒冷地では暖房の使用期間も長いため、暖房効果はもちろん、燃料・光熱費も大きなチェックポイントです。
また、家の気密性能、断熱性能によっても、大きく暖房効率は変わります。気密性・断熱性の低い、古い住宅では、どうしてもコスパは悪くなってしまいがちです。
暖房器具の特徴やメリット、デメリットを確認し、家族構成や環境に合わせてコスパのいい最適な暖房を選び、さらに家の状況や趣味やこだわりに合わせて部分使いや使い分けをするなど、上手に快適な冬の暮らし方を考えてみるといいですね。
今どきの家は、暖房費もかからない?
最近の新しい家は気密性・断熱性が高く、昔の家のように各部屋で暖房をつけなくても暖かく過ごせる家が多くなっています。1階でメインの暖房をつけているだけで、2階では暖房をつけなくても大丈夫なことも多いといいます。
特に寒冷地では、冬の暖房費はかなり家計に響くので、長い目で見て住まいについて考える人も増えています。
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「暖かい家」の記事はこちら ↓
寒さの厳しい信州でも快適な家とは?
「暖かい家の3つのポイントをまとめたよ」
【タイプ別】暖房器具のメリット・デメリット
灯油(石油)を使用する暖房器具
石油ストーブ
石油ストーブは、灯油を燃焼させて空気を暖める暖房器具で、反射式と対流式があります。
反射式は昔ながらの石油ストーブで、燃焼部の後ろにある反射板からの輻射熱でストーブの上部・前面に熱が広がりストーブの周りからじんわりと暖めます。点火にはコンセントからの電源が必要ない乾電池式がほとんどで、灯油の補充は一般的に着脱式のタンクに給油します。停電時でも使えるので災害用として備えておくのもおすすめです。
また、対流式の石油ストーブは、本体の中心に円筒形の燃焼部があり、ストーブの周り全体に熱を広げるタイプの石油ストーブです。燃焼力が強く、暖かい空気を上昇させて部屋全体を暖められるので、昔から学校の教室や公民館などの広いスペースでも使われています。
<メリット>
- 比較的低価格で購入できる。
- すぐに暖かい。
- コンパクトでどこでもすぐに使える。
- 電気・ガスの暖房に比べてランニングコストは低い。
- エアコンなどに比べて空気は乾燥しにくい。
- 上部が熱くなるため、やかんや鍋などをかけておくことでお湯を沸かしたり煮こみ調理にも使える。
- 乾電池で着火するため、停電などの非常時も使える。
<デメリット>
- 部屋全体が暖まるのには時間がかかる。
- 火が出ており本体が熱くなるため、やけどや火災の危険性があり、小さい子どもやお年寄り、ペットのいる家は注意が必要。
- 燃焼により室内に水蒸気が発生し結露しやすい。
- 灯油を購入・給油する手間がある。
- 一酸化炭素中毒を防ぐため、約1時間おきに換気が必要。
石油ファンヒーター
石油ファンヒーターは石油ストーブ同様、灯油を燃焼させて空気を暖めますが、本体内部で燃焼した熱をファンで送り出すため、部屋に暖かい風が循環し、部屋があたたまるスピードが早いのが特徴です。電源を必要とするため、停電時は使えません。灯油の補充は一般的に着脱式のタンクに給油します。
直接火が表に出ていないため、火傷や火災のリスクはさほど高くはありません。燃焼から3時間放っておくと自動で消火される仕組みになっているため、換気忘れ、消し忘れも防げ、安心です。
<メリット>
- 暖房効果が高く、コスパがいい。
- すぐに部屋が暖まる。
- 比較的低価格で購入でき、すぐに使える。コンパクトでどこでも使える。
- エアコンに比べて空気は乾燥しにくい。
- 3時間自動消火機能やON/OFFのタイマー、エコモードなどの便利な機能がある。
- 火が直接外に出ていないため本体も熱くならず、安全。
<デメリット>
- 燃焼により室内に水蒸気が発生し結露しやすい。
- 灯油を購入・給油する手間がある。
- 電源がないと使えない。
- 一酸化炭素中毒を防ぐため、約1時間おきに換気が必要。
FF式石油ファンヒーター
灯油を燃焼させて暖めた空気をファンで送り出す、石油ファンヒーターと同じ暖房方法ですが、給排気筒(えんとつ)から燃焼する空気を外から取り入れ、燃焼した空気を外へ排出するので室内の空気を汚さないのが特徴です。換気の必要がなく、室内に水蒸気が発生しないため結露も防げます。
灯油は小型ファンヒーターなどと同じ着脱式の灯油タンクに給油をするタイプのほか、寒冷地など使用量が多い地域では大容量の灯油ホームタンクに直接つないで自動供給するタイプもよく使われています。
<メリット>
- 暖房効果は高く、ランニングコストは抑えられる。
- すばやく部屋を暖める。
- 室内の空気が汚れない。
- 本体は熱くならず安全。
- ON/OFFのタイマー、エコモードなど便利機能がある。
- ホームタンク接続タイプなら給油はいらない。
<デメリット>
- 温風が出るため、乾燥しやすい。
- 石油ファンヒーターに比べ、機器自体の価格が高い。
- カートリッジタンクタイプなら給油の手間がある。
- 設置工事費がかかる。
- 設置型なので移動はできない。
- 電源がないと使えない。
いざというときのために
石油ストーブを買っておかなきゃなんて言ってたな。
信州の冬に暖房なしは、絶対耐えられないよね。
電気を使用する暖房器具
エアコン
リモコンのスイッチひとつで暖房・冷房・除湿と切り替えられ、温度調節がラクにでき、場所も取らず安全性も高くお手入れもラク、といいことずくめのエアコン。電気代が高くつくイメージがありますが、新しいタイプのエアコンは暖房効率もかなりアップしているので、コスパも高く手軽で便利な暖房器具となっています。
とはいえ、パワーのある暖房が必要な寒冷地では、まだまだ灯油を使った暖房器具がメインに使われていることが多いのが現状です。気温がマイナスになるような寒い時期は、通常のエアコンではほぼ暖まりません。室外機の熱交換パワーをアップさせた寒冷地仕様のエアコンも登場していますが、特に寒さが厳しい地域では、エアコンだけで家中を暖めるにはやはり電気代がかかってしまうため、個室などで補助的に使うといいかもしれません。
<メリット>
- 火を使わないので安全で空気もクリーン。
- 場所を取らず、取扱いも簡単。
- 部屋全体を暖めやすい。
- 夏はクーラーとして活躍。
<デメリット>
- 温風で暖めるため、空気が乾燥しやすい。
- 普通のエアコンでは寒さが厳しい時期はほぼ暖まらない。
- 寒冷地仕様のエアコンは価格が高め。
- 設置工事が必要。
- ランニングコストが高くつくことも。
- 電源がないと使えない。
パネルヒーター/オイルヒーター
電気によって表面温度を上げたパネルの輻射熱によって、部屋をじんわり暖めます。オイルヒーターは、暖めたオイルをパネル内に循環させることで表面温度を上げています。長時間使い続けると電気代がかなりかかってしまうこともあります。
空気を汚さず、灯油やガスのファンヒーターやエアコンのように風がでないため、空気が乾燥しにくいのが特徴。給油などの手間がなく、やけどや火災などのリスクが少なく安全性が高いので、お年寄りや赤ちゃんやペットがいる家庭で選ばれています。
ただし、暖房機能的には家全体を暖めるほどのパワーは期待できないため、寒冷地では狭い空間で部分的に使うのがおすすめです。
小型のパネルヒーターは電源を入れると本体がすぐに暖まり、薄型で場所を取らないので、トイレや脱衣所などでよく使われています。
オイルヒーターはあたたかさを感じるまでに時間がかかるので、タイマーを活用したり、エコモードで常時運転するなどの工夫が必要です。
<メリット>
- 火を使わないので安全で空気もクリーン。
- 空気が乾燥しにくい
- 給油などの手間がなく、取扱いが簡単。
- 場所を取らず、移動も簡単。
- パネルヒーターはすぐに表面温度が上がる。
<デメリット>
- 寒冷地では部屋全体を暖めるのは難しい。
- オイルヒーターは暖まるまで時間がかかる。
- ランニングコストが高くなることも。
- 電源がないと使えない。
電気ストーブ
電気で熱源を高温にし、赤外線(遠赤外線)でじんわりと暖めます。熱源にはカーボンヒーターやハロゲンヒーター、セラミックヒーターなどいくつか種類があり、速暖性に優れたもの、低価格なもの、ファンがついたものなど大きさや機能は様々なので、用途に合わせて選べます。
石油やガスを燃焼させるタイプの暖房と比べて部屋全体を暖める力は弱いのですが、スイッチを入れるとストーブ周辺はすぐに暖まるので、帰宅時や狭い空間などで限定的に使うのに適しています。
<メリット>
- 火を使わないので安全で空気もクリーン。
- 給油などの手間がなく、取扱いが簡単。
- 場所を取らず、移動も簡単。
- 電源を入れるとすぐに暖まる。
- 比較的低コストで購入できる。
<デメリット>
- 部屋全体を暖めるのは難しく、切るとすぐに冷えてしまう。
- ランニングコストが高くなることも。
- 電源がないと使えない。
電気カーペット/コタツ
部屋全体を暖める目的では使えませんが、部分的に暖めるという点では速暖性があり、空気も汚さず安全性も高いので、お年寄りや小さな子供、ペットのいる家庭では活躍しています。
寒さが厳しい寒冷地では昼間でも室内温度がかなり下がるので、ストーブなどメインの暖房の補助的に使うのが現実的です。
<メリット>
- 火を使わないので安全。
- 空気が乾燥しにくい
- すぐに暖まり、取扱いが簡単。
- 電気代は比較的安い。
<デメリット>
- 体の一部分しか暖められない。
- 電源がないと使えない。
ガスを使用する暖房器具
ガスストーブ/ガスファンヒーター
ガスファンヒーターとガスストーブは、ガスを燃焼させて空気を暖めます。部屋全体を暖める能力は高く、灯油ほど点火・消化時の空気の臭いがないのが特徴。通常は据え置きタイプで、ガス栓に燃料管を接続させて使うので、燃料補充の手間がなく、取扱も簡単です。また、外から吸排気して室内の空気を汚さない、FF式ガスファンヒーターもあります。
速暖性も暖房効果も灯油暖房器具と変わらないほど高いのですが、燃料費は灯油より割高になりがちです。
都市ガスのある地域は地方ではまだ限られているため、プロパンガスで使用する地域では、さらにランニングコストが上がってしまいます。また、ガス栓が必要になるため設置場所も限られてしまいます。
<メリット>
- 暖房効果は高く、部屋全体が暖まるのが早い。
- 都市ガスならコスパがいい。
- 燃料を給油する手間がない。
- ファンヒーターは本体も熱くならず、安全。
<デメリット>
- 火が出るタイプのガスストーブは、やけどや火災のリスクがある。
- ファンヒーターは温風で暖めるため、空気が乾燥しやすい。
- ファンヒーターは電源が必要。
- ガス栓の設置が必要なのでオール電化では使えない。
- プロパンガスの場合はランニングコストが高い。
- 一酸化炭素中毒を防ぐため、約1時間おきに換気が必要。
そのほかの暖房器具
薪ストーブ
薪ストーブは、薪を燃やすことでストーブ本体からの輻射熱で家全体をじんわりと暖めます。
暖房効果が高く、環境に優しく、煮炊きもでき、癒し効果もある、など様々なメリットが見直され、またスローライフやアウトドア志向の高まりに加えてインテリア性も注目され、人気が高まっています。特に身近に自然の多い信州では、都市部に比べて設置しやすい環境にあるため導入する家も増えています。
とはいえ、薪ストーブを日常的に使うには、薪の調達から管理、使用前後の手入れや、使用中の火の管理、メンテナンスなど、様々な作業が付きもの。
単なる暖房器具としてではなく、それに付随する様々な作業をも楽しめる、時間と心のゆとりが必要となります。
<メリット>
- 暖房効果は高く、家全体を暖める。
- 料理にも使える。
- 電気・ガスなどの光熱費がかからない。
- 停電などの非常時にも暖房・煮炊きができる。
- 環境に優しい。
<デメリット>
- ストーブ本体、設置工事などの初期費用が結構かかる。
- 薪集めと薪割り作業が大変。
- 薪を乾燥・保管する場所が必要。
- 家が暖まるまでに時間がかかる。
- メンテナンスが必要。
- 住宅密集地では煙や臭いが近所迷惑になることも。
暖房器具って、いろいろあるんだねぇ。
おうち時間がますます増えるから、
暖房ってほんと大事だよね。
暖房費が大変ってぼやいてたよ。
お小遣いを見直す前に
暖房費の節約になる
「住まいの暖房効率」を見直してみませんか?
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