【住宅価格の高騰対策2】注文住宅の費用を抑えるシンプルな家づくり

住宅価格高騰中!今こそ見直す賢い家づくり

「せっかくのマイホームだから、自分の理想どおりの家を建てたい!」という人に選ばれる注文住宅。

間取りから内装のデザイン、建具、設備機器の設置に至るまで、デザイン性、居住性ともに自分の思い通りに選べるのが最大の魅力です。

とはいうものの、昨今の木材をはじめとした住宅資材の高騰により、住宅価格も上昇するばかり。そこで今回は、高額になりがちな注文住宅の費用やランニングコストを少しでも抑えるために、「シンプルな間取りの家づくり」についてお伝えします。

ミコちゃん

あこがれのマイホームだから
いろいろこだわりたいけど
やっぱり注文住宅はお値段がねぇ…

ミツオくん

でも「シンプルな家」にすることで
注文住宅でも予算を抑えることができるよ

注文住宅だからこそできる
「シンプルな間取り」5つの節約ポイント

まず、注文住宅の建築費用を抑えるための対策の一つとして、「シンプルな間取りにする」という方法があります。

しかし「シンプル」と言っても、ただ「つまらないデザイン」や「個性のない間取り」という意味ではなく「無駄な空間や装飾を省いた、機能的で効率的な間取り」ということです。

そんなシンプルな間取りを考えるときの5つのポイントをまとめました。

<シンプルな間取りで節約するための5つのポイント>

  1. シンプルな家の形状にする
  2. シンプルな広い空間の間取りにする
  3. 無駄になりがちな部屋や空間を削る
  4. 可動性のある間取りにする
  5. 大手ハウスメーカーよりも経験豊富な地元の工務店に相談する

【ポイント1】
シンプルな家の形状にする

家の形は、同じ床面積で見ると凸凹が少ないシンプルな家の方がコストを抑えられます。基礎工事の面積が小さくなり、必要な屋根や壁の総面積も少なくなるためです。

シンプルな形、つまり横からみても上から見てもシンプルな箱型の家が、一番建築費が安くなります。

具体的には、2階部分が1階より小さい「部分2階の家」より、1階と2階の床面積がほぼ同じ「総2階の家」のほうがコスト的には節約できるということになります。

また、屋根の形も単純な形の方が部材や手間が少なくなります。

例えば、寄棟屋根よりも切妻屋根、切妻屋根よりも片流れ屋根の方がコストがかかりません。

切妻屋根の総2階の家
寄棟屋根
片流れ屋根

【ポイント2】
シンプルな広い空間の間取りにする

間取りはできるだけシンプルに、部屋数は必要以上に増やさないようにしましょう。

部屋数が増えると当然仕切り壁が増え、そのたびに材料費がかかり、さらに部屋ごとの照明やドア、窓などの建具も必要になります。

同じ延べ床面積なら、シンプルな間取りのほうがコストがかかりません。

例えばリビングダイニングなどをひとつの広い空間にしたり、廊下を短くしたり。小さい収納スペースをたくさん配置するよりは、まとめて収納できるスペースを確保するなど、数は最小限に抑えます。

間取りをシンプルにすると、生活の動線もシンプルになり、コスト削減だけではなく暮らしやすさにもつながります。

【ポイント3】
無駄になりがちな空間を削る

廊下やホールなど、部屋以外の空間をできるだけ少なくすることで、間取りもシンプルになり、床面積を小さくすることができます。

客間や和室など、普段あまり使用しない部屋は、思い切って無くしてしまうのも一つの方法です。

また6畳未満の小さな部屋は、家具の配置が難しく、使い勝手も良くないため、結果的に使わないということもよくあります。そのような中途半端な空間はできるだけ作らず、収納スペースとして設計するなど有効的に活用しましょう。

あまり使われない空間を思い切って削ることで、建築費用を抑えることができます。

【ポイント4】
可動性のある間取りにする

将来のライフスタイルの変化に対応できるように、間仕切りや家具の配置を柔軟に変更できるような間取りにあらかじめしておくと、後々便利なこともあります。

例えばリビングとダイニングを一体化した広々とした空間では、家具の配置も自由度が高くなり、家族が増えたり、親の介護が必要になった際にも柔軟な対応が可能になります。


また、複数の子供部屋も広い空間を家具や間仕切りで分割しておくことで、子供の独立後には間取りの変更が楽にできます。

全体的に、できるだけシンプルで広い間取りにしておくことは、資材費を抑えることできるだけではなく、家族のライフステージの変化にも柔軟に対応できる、将来を見据えた設計と言えます。

【ポイント5】
大手ハウスメーカーよりも
経験豊富な地元の工務店に相談する

シンプルな間取りは、ただ単に仕切りや装飾を減らせばいいという訳ではありません。シンプルだからこそ確かな経験や技術に基づいた設計をしないと、機能性やデザイン性を損なう可能性もあるからです。

また、大手ハウスメーカーの家は、中小ハウスメーカーのローコスト住宅と比べて3〜5割ほども坪単価が高いことがあります

安いから機能や性能が著しく低いという訳ではなく、現在は厳しい建築基準もあるため、建築資材や設備といったモノ自体の性能や質は、大きくは変わりません。

価格の違いの大きな理由は、いわゆるブランド料。大手ハウスメーカーでは全国展開のための事業経費やイメージ広告、広報にかなりの予算をかけているため、その分コストが上がってしまいます。

大手ハウスメーカーと比べると、地域密着型で地元での信頼もある工務店なら、余分な経費やコストもかけていないことも多く、その分建築費も安くなります。
また、注文住宅だからこそ、シンプルな間取りの設計やこだわりたい部分、リーズナブルなものでOKな部分など、柔軟に相談・対応してもらえるというメリットもあります。

建築費の値上がりが気になる注文住宅ですが、経験豊富な設計士とじっくり話し合うことで、長い目で見てコストパフォーマンスのいい、自分の理想の家を建てることが可能になります。

注文住宅での「シンプルな家」の5つのメリット

上記の「シンプルな間取りの節約ポイント」から見えてきた、注文住宅での「シンプルな家」にするメリットを、5つの視点でまとめました。

「シンプルな家」にするメリット

  1. 建築費用を抑えられる
  2. メンテナンスがしやすい
  3. 家具の配置がしやすい
  4. 家事動線が短くなる
  5. 省エネ性能が高い

<シンプルな家のメリット>

建築費用を抑えられる無駄な空間や装飾を省くことで、建築費用を節約できる。
メンテナンスがしやすい間取りがシンプルで広い空間は、掃除や片付けがしやすく、メンテナンス時の手間と費用も軽減する。
家具の配置がしやすい無駄な柱や壁がないので、家具を自由に配置でき、レイアウト変更も楽にできる。
移動・家事動線が短くなる小さな部屋や無駄な空間を減らすことで、家の構造が単純化され、移動が楽になったり、家事導線が短くなる。視認性や安全性も高まる。
省エネ性能が高い無駄な空間が少ないので、冷暖房効率が高く、省エネ性能が高くなる。また、余計な設備や機器の使用が少なくなり、ランニングコストも減る。

【注文住宅のコスト削減の際の注意点】
後悔しないために削ってはいけない部分

ここまで、シンプルな家にしてコストを抑える方法とメリットをお伝えしてきました。多くの方が「希望通りのマイホームを建てたいけど、費用はできるだけ抑えたい」というのが本音だと思います。

とは言うものの、何でもかんでも削ってしまって味気ない家になってしまったり、大事な部分の予算を削って、結果的にランニングコストがかかってしまったりしては本末転倒です。

そこで、後になって後悔しないための「ここだけは予算を削りすぎない方がいい部分」についてお伝えします。

予算を削ってはいけない部分

  1. 断熱や気密といった「省エネ性能」に関する部分
  2. 家の「耐久性」「耐火性」「耐震性」に関する部分
  3. 防犯や事故防止の「安全性」に関わる部分
  4. 「ここだけは」というこだわり部分

1.「省エネ性能」に関する部分

断熱性や気密性の高さ、空調に関わる設備などは、快適性はもちろん、光熱費にも直接関わる重要部分です。省エネ性能が悪い家は、ランニングコストが高くつくことになり、長い目で見ると節約になりません。

断熱材や窓、ドアなどの開口部に使う資材や建材、設備は、価格だけではなく、その土地の自然環境も考慮して選ぶことが大切です。

2.「耐久性」「耐火性」「耐震性」に関する部分

家族や財産を守る大切な家。地震や台風、火事の際にも安心な家であることは必須条件です。構造上の耐久性はもちろん、クロスなどの内装部分も安全性をチェックしたいですね。

また、外壁材や屋根材は、長い目で見て耐久性を考慮したい部分です。外観にも影響しますし、外壁リフォームなどのメンテナンス費用にも大きく関わってくるため、単純にコストカットしてしまうと、結局ランニングコストが上がってしまうこともあるので注意が必要です。

3.「安全性」に関わる部分

セキュリティー面や、ケガなどのリスクを減らすための部分は、安心して暮らすためには削りたくない部分ですね。

周辺環境によっては、例えばインターフォンの設置やドア・窓の防犯対策も必要です。また、小さな子供や高齢者がいる家では、段差や動線などをチェックし、転倒や転落、挟まれ事故等が起きないための対策も重要です。

4.「ここだけは」のこだわり部分

希望通りの家を建てるために「注文住宅」を選択したはずなのに、コストカットにばかり気を取られた結果、味気ない家になってしまっては本末転倒ですね。

限られた予算の中で、重要視する部分を考えながら取捨選択することは必要ですが、家族みんなが幸せに暮らしていくためには、みんなの「愛着のある家」であることもとても大切です。

そのため、他でコスト削減をしてもここだけは譲れない、という「こだわりたい部分」は諦めずに採用することも大事です。

「シンプルな家」は暮らしやすい家

注文住宅での「シンプルな家」は、建築時の費用を削減するだけではなく、ランニングコストの削減にもなり、また結果的に「暮らしやすい家」にもなります。

大切なことは、「どんな暮らし方をしたいか」「 何を重要視するか」を考えながら、削る部分、こだわる部分を選択していくことです。その中ではもちろん、専門家の知見も参考にすることも大事です。

注文住宅でも、節約しながら満足度の高い家を作ることは可能です。

世界に一つだけのマイホーム作りを、ぜひ実現してくださいね。

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