ログハウスのメリットとデメリット
【憧れのログハウス】
魅力がいっぱい!だけど苦労もいっぱい?
無垢の木材をそのまま組み上げた個性的な外観と、ぬくもりを感じる木の香りが魅力的なログハウス。
とはいうものの、ログハウスは工法も使う素材も一般の住宅とは全く異なるために、さまざまなデメリットがあることもまた事実です。
特に住居用のログハウスの場合は、憧れだけで建ててしまうと、暮らし始めてから後悔することにもなりかねません。そこで今回は、ログハウスのメリットと併せて、デメリットについて徹底調査しました。
あれ?ログハウスのカタログ?
この間、ミツオくんちでも見たよ。
うん。実は、
こっちに移住したい言っていたおじいちゃんが
ログハウスがいいなぁなんて言い出して…
ログハウスって素敵だけど
手入れとかが大変なんでしょ?
やっぱ、おじいちゃんには大変かなぁ?
ログハウスの3つのメリット
①木材の圧倒的な存在感
新建材を使った一般の住宅では得られない、独特の雰囲気と存在感がログハウスの魅力。個性を表現しやすいため、自宅だけではなく店舗や飲食店に活用する場合も注目度は高まります。
また構造全てが木材のため、自分自身でセルフビルドしたり、DIYで手を入れていく楽しみを得られるのもログハウスならでは。
②自然素材のここちよさと安全性
無垢の木材を積み上げて建てるログハウスは、外壁材も室内の壁も木材そのもの。天然素材である木に囲まれると、ぬくもりやリラックス効果を感じます。一般の住宅で多く使われる新建材に含まれる有害物質の心配がないという安心感もあり、ログハウスは究極の健康住宅とも言われます。
③木の持つ特性による機能性や快適性
新建材や最新の技術を使った一般の木造住宅は、住宅基準の強化や技術の進歩により、どんどん高性能になっています。しかし、火災や災害時、または廃棄時には、人体や地球環境への負荷に対する対策が必要となります。
一方ログハウスは、自然素材である木材を積み上げて建てられますが、実は住宅としての性能も高く、さまざまな条件でその実力が証明されています。
- 高い軟性があるため耐震性能が高く、耐久性もある
- 太さのある木材は燃えにくく、耐火性能が高い
- 木は断熱性が高く防音性も高い
- 木材だから室内の湿度が調節される
- 天然素材だから地球にもやさしい
ログハウス7つのデメリット
1)メンテナンスの手間と費用が大変
ログハウスは一般的に「手間とコストがかかる」と言われます。
木材そのものを積み上げて建てるため、劣化防止と美観を維持するために定期的に塗装しなければなりません。また、木材は乾燥により歪みや割れなどが発生するため、調整も必要になります。
外壁塗装やセトリング(木が乾燥して縮むことによって壁が沈下すること)対策などのメンテナンスは、自分ですることも可能ですが、専門の業者にお願いするとなると、例えば外壁塗装なら数十万円という出費が毎回必要となります。
定期的な外壁塗装が必要
ログハウスは一般の住宅のような外壁材にカバーされてません。木材そのものが外壁であり、室内の壁なので、経年変化や気候・環境の影響を受けやすく、定期的な塗装が必須です。
外壁の塗装の時期は、最初は2〜3年後。その後も5年位ごとに塗り替えが必要とされています。
一般的な木造住宅の外壁塗装の目安は10〜15年ほどといわれているので、ログハウスの方が頻繁に塗装に手間と費用がかかります。
木が歪むため建物の調整が必要
ログハウスの材料となる木材は木そのものなので、時間の経過とともに、どうしても歪みやそり、割れ、縮みなどが生じてしまいます。
木の乾燥によって壁が沈下する「セトリング」の影響で、窓や扉が動きにくくなることも。
特にログハウスを建てた最初の2〜4年内には、建物の調整が必要になることが多いといいます。
通常はログハウスにはあらかじめこれを想定した施工が行なわれていたり、柱やログ壁に調整用のナットやボルトが設置されています。もし窓やドアが動きづらくなった場合でも、知識さえあれば自分で調整することは可能です。
2)建築費が割高になりがち
一般的な在来工法の木造住宅と比べて、ログハウスは建築費が高いと言われます。
シンプルなデザインのマシンカットの角材を使ったログハウスであれば、極端な高額になることはないものの、こだわりのある家づくりをしたいと思う場合は、どうしても費用がかさんでしまいます。
また、ウッドショックと呼ばれる近年の木材価格高騰も拍車をかけ、全体的に価格は上がり気味。
特に「丸太の家」のイメージそのものの、ハンドカットの太い丸ログを使用したログハウスは、希少性もあり、やはり高額になってしまいます。
3)間取り・デザインに制限がある
小さな間取りが作りにくく収納スペースも少ない
一般的な木造住宅の場合は、柱や壁で空間を仕切ることが可能なため、基本的には間取りも融通がききます。
一方、ログハウスは木材をそのまま組み上げるため、間取りにあまり細かな変化をつけることが難しい構造です。
またログハウスには壁の平面部分も少なく、2階の屋根部分にはデッドスペースもできてしまうため、各部屋に押し入れやクローゼットを設置することが困難なことも多いです。
リフォームがしづらい
その構造上、ログハウスは建築後の間取りの変更は基本的に不可能です。
もし将来、家族のライフステージの変化により「リフォームをしたい」と思った場合には、増築や離れを作る、という選択肢になります。
最近は、プライベートスペースやゲスト用のスペース確保のために、ミニログハウスを自分で建てる、というログハウス好きも増えています。
4)雰囲気に合う家具が限られる
独特の雰囲気を持つログハウスだからこそ、室内のインテリアもこだわりたい、という人は多いです。
これまで使っていたものがナチュラル系、カントリー調などなら不自然感はありませんが、無機質なカラーや質感の家具や雑貨をログハウスに入れると、妙に浮いてしまうことはよくあります。
そのため、ログハウスに似合う家具などを揃えるために、さらに予算が必要になってしまいます。
ただし、壁面全体が木なのでDIYで棚を取り付けるといったことも容易に出来るというのもログハウスの魅力です。工夫次第で、低予算で雰囲気に合った収納スペースの確保も可能になります。
「憧れのログハウスを建てたんだから、雰囲気に合わない家具やモノは置きたくない」という人も多く、ログハウス入居をきっかけに不要なものや暮らし方を見直す人も少なくないようです。
5)建てる場所や条件の制限
建築基準法や木造建築規制をクリアする
建築物を建てる際には、いくつか守らなければならない法律があります。
一般的な木造建築の「在来工法」や「ツーバイフォー工法」の家では、外壁材や断熱材、壁材などの部材には、防火・耐火性能が高い素材が使われ、建築基準法や防火地域・準防火地域での木造建築規制などの法律に準じた家が建てられます。
一方、ログハウスは「丸太組み工法」と呼ばれ、「丸太組工法技術基準」等、構造上の安全性を確保するための建築基準があります。
また、規制が厳しい市街地などの防火地域、準防火地域では、防火窓や防火ドア、防火ログの使用といった、認定された「準耐火建築物」でなければ建てられません。
現在は昔に比べてログハウスの性能評価が進んでおり、認定されたログハウスメーカーの建材であれば、準防火地域でもほとんどの場合で建築が可能となっています。
耐久性や環境を考慮
独特の存在感が特徴で、自然の豊かな場所に建てられることが多いログハウスですが、最近では市街地や住宅街でも、おしゃれなカラーやデザインのログハウスを見かけることも多くなりました。
もちろん、建築基準に沿って建てれば家自体には問題はありません。ただ、ログハウスで「薪ストーブを設置したい」という場合は注意が必要です。住宅が密集している場所では煙や匂いなどに近所から苦情が出る事があるため、周辺環境や煙突の設置方法については考慮すべきでしょう。
また、日当たりが悪い場所や湿度が極端にある土地は、木材が傷みやすいため避けるか、土台を高床にするなどの工夫も必要です。
6)納期が遅れることも
美しい本場フィンランドのログ材など、素材にもこだわるログハウスファンも多いのですが、入居を急ぎたい場合は注意が必要です。
ログハウスの木材は輸入材が多く、建材が揃うまで半年待ちということもあります。そこから建築を始めるため、在来工法の木造住宅よりもどうしても納期は遅れてしまいます。
特にコロナ禍以降、国際的な流通の乱れから納期遅れや建材不足に拍車をかけています。
【一般の木造住宅と比較】
ログハウスのメリット・デメリット
旅行や公共施設などでログハウスに触れたことをきっかけに、ログハウスファンになった人は多いと思います。でも実は、ずっとログハウスに憧れていた人でも、結果的に一般的な工法の住宅を選択する人は、意外と多いのです。
そこでまずは、主なログハウスの特徴について、一般住宅と比べてみました。
■一般の木造住宅とログハウスの比較(同等レベルの設備や大きさで比べた場合)
一般的な注文木造住宅 | ログハウス | |
---|---|---|
デザイン・間取り | ●基本的に自由。モダンから和風・北欧風・カントリー調など好みに合わせて家づくりができる。●建築基準に合っていれば希望通りの間取りで設計ができる。 | ●他では得られないログハウス独特の雰囲気。マシンカットログならカラー塗装で北欧風などの外観も可能。●小さな空間で仕切る間取りは難しく、収納スペースが少なめ。 |
価格 | ●内装や建具などのクオリティーにより大きく異なる。 ●企画型の住宅は比較的コストを抑えられる。 | ●ログ材の種類により大きく価格は異なるが、一般住宅より高額になりがち。 ●部分的なセルフビルドやDIYで建築費を抑えることも可能。 |
気密性・断熱性 | ●高気密・高断熱はすでに常識。冬暖かく夏は涼しい家が多くなっている。●エアコンや暖房の使用量が減り、省エネ性も高い。●冬場の乾燥や湿度の調整が必要。 | ●木の乾燥による歪みや割れにより隙間ができたり、木材のつなぎ目部分から雨が染み出すなど気密性が保たれないことも。 ●天然素材である木の断熱性能は高く、調湿性もあり、夏も冬も快適な状態を保てる。 |
耐震・耐久性 | ●現在の建築基準に沿った家なら、耐震性能は十分高い。 ●最新の工法を導入することで、より地震や暴風などにも強い構造も実現できる。 | ●木材は弾性があり、地震などの自然災害に強い。 ●木は時間の経過とともに強度が増す性質がある。 ●防腐のための適切な環境とメンテナンスがあればかなり長持ち。 |
防火性 | ●防火基準に沿った建材を使用することで燃えにくさは向上。 ●クロスや接着剤など、有害物質が発生することも。 | ●厚みのある木は燃えにくい性質がある。耐火ログ材を使った認定「準耐火建築物」なら安心。 ●燃えても有害物質が出ない |
メンテナンス | ●外壁・屋根塗装は通常約10〜15年ごと。汚れがつきにくく耐久性の高い素材もある●技術的に性能が上がり長期間の耐久性がある | ●防腐効果と美観維持のため定期的な塗装は必須。 ●外壁塗装は最初は2〜3年後、その後も約5年ごとに塗り替えが必要 ●築後1年〜3年目位までは、木材の縮みや歪みの調整が必要 |
まとめ:ログハウスで後悔しないために
「何を重視するか」を家族でしっかり考えて
手間がかからず機能的で利便性の高い新建材でつくられた一般的な家に比べ、ログハウスはやはり手間や時間、コストがかかります。
それでも根強い人気があるのは、本物のログハウスだけが持つ特別な存在感と、そこに暮らす人が得られる心地よさや安心感に魅了されるからでしょう。
「手間」を楽しむ「ゆとり」こそが、ログハウス暮らしを後悔しないための秘訣なのかもしれませんね。
もちろん、「良い家の条件」は人それぞれ違います。
自分らしいライフスタイルを手に入れるためには、個性的なログハウス、利便性の高い在来工法の木造住宅、どちらがいいとも言えません。
ずっと暮らす大切な家だからこそ、これから家族がどんな暮らし方がしたいかを、未来のライフステージも考慮しながらじっくりと考えることが必要です。
こうこつかん…ってなに?
どうかなぁ。
でも、みんなで手伝えば大丈夫じゃない?
DIYも楽しそうだし。
ママは力仕事、嫌がりそう…
…だな。
信州・長野県で家づくりに悩んだら…
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