2×4(ツーバイフォー)工法のメリット・デメリット

2×4(ツーバイフォー)って何? 

住宅について調べていると、とにかくよく目にする「2×4(ツーバイフォー)」という文字。

2×4とはツーバイフォー工法のことで、アメリカで生まれ、今や世界中で使われている木造建築の一つです。耐震性に優れ、工期が短くコストを抑えられるため、多くの建築メーカーで採用されています。

今回はその2×4工法について解説します。

ミコちゃん
ミコちゃん
ねぇねぇ、最近「2×4(ツーバイフォー)」って言葉
よく聞くけど、それってなに?
ミツオくん
ミツオくん
あれ? ミコちゃんまさか、知らないとは・・・
ミコちゃん
ミコちゃん
てへへへ
ミツオくん
ミツオくん
2×4って、実はもう200年も前に生まれた
家を建てる工法なんだよ。
ミコちゃん
ミコちゃん
へー!そうなんだー!
でもそれだけ長く使われてるってことは、すごくいい方法なんだね?

そもそも2×4(ツーバイフォー)工法ってなに?

2×4工法とは木造建築の工法で、「木造枠組壁工法」と呼ばれる工法のひとつです。使われている角材のサイズの断面が2インチと4インチだから、2×4(ツーバイフォー)と言うんですね。
(乾燥製材後はタテヨコ0.5インチづつ減って1.5×3.5インチ(38×89mm)になります。)

2×4工法の家とは、その角材を使って枠をつくり、そこに板を張って作った基本のパネルをパーツとして6面体の丈夫な箱(モノコック構造)を作り、それを組み合わせて空間を作ります。この規格化された「パネル」こそが、2×4工法のメリットである「コストの低さ」と「安全性の高さ」を実現させています。

2×4工法の始まりは19世紀のはじめ、アメリカの新天地開拓の時代。さまざまな気候が存在する広大なアメリカ大陸で、乾燥、高温多湿、雪や寒さなど、厳しい気象条件でもより快適に過ごせる家を、しかもより早く丈夫に建てるために改良が重ねられました。

現在では日本の木造建築のうち約20%が2×4工法で建てられていますが、世界的にはこの工法が標準的な木造建築の工法とされています。

日本の伝統的な家の作り方とは何が違うの?

パネルを使って「面」で作っていく2×4工法(木造枠組壁工法)とよく比較される工法に、「木造軸組工法(在来工法)」とよばれるものがあります。これは日本の従来からの工法で、柱や梁(はり)といった「線」で家を組み立てていく工法です。

「線」で支える構造の在来工法は、外からの力が接合部の点に集まってしまうため、強度を保つ施工には高い技術が求められます。耐久性や仕上がりのよさを確保するためには、腕のいい職人さんが必要なのですね。

一方2×4工法は「面」で支える構造であるため、外からの力を面全体に分散させることができ、構造体となる6面体構造は歪みも起きづらく強度が保たれます。規格化されたパーツを使うことで、安定した施工技術を確保できるのも大きな特徴です。

ミコちゃん
ミコちゃん
ふーん、アメリカで生まれた2×4工法かぁ。
私がイメージするおしゃれでステキな家にぴったりかも?
ミツオくん
ミツオくん
日本の大工さんが建てた、しっかりした家もいいけどね。
ミコちゃん
ミコちゃん
ミツオくんの家は、いかにも「純日本家屋」って感じの
立派な家だもんね〜。
ミツオくん
ミツオくん
工期や建築費用もけっこう違ってくるから、
好みも大事だけどメリットと予算も考えて選びたいよね。
ミコちゃん
ミコちゃん
そっか。
で、2×4工法のメリットってなんだっけ?

2×4工法の5つのメリット

1.耐震性・耐風性に優れている。
  だから地震や台風に強い 

「パネル」の面で支える構造になっているため、また壁・床・天井の6面体の壁で家を支えているため、外からの力にとても強い家になります。2×4工法の住宅には地震や台風などの被害が少ないことが、これまでの災害でも実証されています。
6面体(モノコック)構造は、力学的にも最もバランスのよいとされている構造体です。

2.工事の期間が短い
  だから建築費用を抑えられる。 

2×4工法では規格化された「パネル」を使い、部材の多くをあらかじめ工場で作ることができるため、現場での作業を効率化、システム化できます。そのため、在来工法に比べて短い工期で家を建てることができ、人件費の削減につながるため、建築費のコストも削減できます。

3.気密性・断熱性が高い。
  だから省エネ。

「面」をつなぎ合わせて作るため、在来工法と比較してすきまが生まれにくく、気密性や断熱性が高まります。このため、冷暖房にかかる費用が削減、省エネ効果も期待できます。

4.木造だけど、実は耐火性あり。

木造は燃えやすい、と思われていますが、実は2×4工法で建てられた家は耐火性能が高く、火災保険の費用が軽減されるケースも多いのです。

一般的に木は燃えやすい性質と言われています。でも、ある程度の太さ厚さがある木材は、いったん燃えても表面に「炭化層」をつくるだけで火は内部まで進行せず、強度は低下しにくい性質を持っています。

一方鉄は、それ自体は燃えないものの、300℃を超えると急激に強度が低下し、550℃を超えると一気にやわらかくなって変形してしまいます。

5.安定した品質だから、安心。

2×4工法による建築工程は、規格化された部材がありノウハウが充実しているため、効率化・システム化されています。そのため、在来工法のように熟練した職人の技がなくても完成度にばらつきがなく、安定した品質が保たれます。

ミコちゃん
ミコちゃん
え〜!なんか、いいことばっかじゃない?
じゃあみんな2×4にすればいいんじゃない?
ミツオくん
ミツオくん
そうだね。メリットはたくさんあるよね。
だけど実は、2×4ならではの困ったことも少しあるんだよ。
ミコちゃん
ミコちゃん
え〜!そうなの?
なになに?知りたーい!

2×4工法の3つのデメリット

1.間取りの自由度が低い

パネルを使った「面」で組み立てて、「箱」という6面体構造で強度を高めているため、ある程度間取りに制限が出てしまいます。たとえば「曲線をいかした大空間」というような個性的な設計には基本的には向いていないので自由度は低いといえます。

2.あとから大きく間取りを変えるリフォームが難しい

上記でもお伝えしましたが、2×4工法の構造上、あとから壁を壊してリビングを広くしたり、窓などの開口部を広げるなどのリフォームは、強度を保てなくなるため難しくなります。2×4工法で家を建てるなら、将来的に大きく間取りを変更するようなリフォームが必要にならないかどうか、考えておくことは必要かもしれません。

ただし、「将来的に子供部屋を2つにしたい」「子供の独立後は広い空間に戻したい」などの見通しがある場合は、ユニテハウスのように「最初から構造体自体を広く作っておくことで間取りの変更が可能」といったプランのある住宅メーカーもあります。

3.施工によっては結露・湿度が心配

高気密・高断熱は大きなメリットですが、その反面、建物内外の温度差が大きくなるため、結露が生じやすくなるとも言われます。そのため、しっかりと結露・湿気対策をしている住宅メーカーを選ぶことが大切です。

もともと2×4工法は防湿性と防水性もあり、結露が発生しにくい構造なのですが、施工会社選びではさらに、構造材に使う木材の質や、「ベタ基礎」を採用した床下の防湿性や通気性など、住宅の耐久性を高める施工をしているかどうかはチェックすべきポイントです。

ミコちゃん
ミコちゃん
そっか〜。
私はステキな雑貨とか家具とかいっぱいほしいから
広くてシンプルな空間があればいいな。
ミツオくん
ミツオくん
間取りも将来的に変更できるプランもあるみたいだしね。
それにしても、安全性と経済性はやっぱり大きな注目ポイントだね。
ミコちゃん
ミコちゃん
やっぱ北欧風のモダンなキッチンかな。
うーん…カントリーっぽいのもすてがたいなぁ〜
ミツオくん
ミツオくん
あ・・・聞いてないね・・・

暮らし方や好みは、年齢や家族のライフステージが変わることで変化するもの。どんな工法で建てるにしても、後悔のない家づくりを実現するにはやはり、「現在」だけでなく「未来」も見据えた家づくりのプランを立てることがとても大切です。

「私たちでも家を建てられるの?」と思ったら…

「私たちでも家を建てられるの?」と思ったら、まずは「後悔しない家づくり」についての情報を集めましょう。

一番大切なのは、今やりたいことだけではなく「未来はどうありたいか」について考えること。そろそろ家族の未来について、考えてみませんか?